フィクション:三好君と自動車君の再会(2014-15開幕編)

「やあ、自動車君」
「……? ごめん、きみ誰?」
「三好だよ」
「三好君!? ……ああ、よく見たら確かに。でも、全然昨季と違っちゃってるじゃないか」
「そうかな。まあ今日は特にそう見えるかもね」
「驚かせるなよ、誰が歩いてきたかと思った」
※三好君、昨季最終戦から大幅メンバーチェンジ。スタメンで引き続き出ていたのは石垣だけでは
「自動車君は変わってないね。どうやったらそんな若さを維持できるのか教えて欲しいよ」
「イヤミだな。俺の真似すれば若くなるだろ」
「でも、なんだかちょっと温和しくなった気がするな」
「そうかい? 三好君の前だから縮こまってるだけさ」
「僕に恐縮してどうするんだよ」
「だってほら……別人みたいだし、強そうだし……」
※自動車君、三好君との開幕ゲームは何をしていいのかわからないうちに片手でひねられて終了。昨季の元気いっぱいな自動車君どこ行った
「何言ってるんだ、自信持たないと。自動車君は元気さが取り柄だろ」
「う、うん……」
「ここは力の差だけが全てじゃ無い。信念が壁を打ち破ることもあるんだ」
「おいおい、急に修造化するなよ」
「修造じゃ無けど」
「でも励ましてくれてありがとう。そうか、自信だな。明日から怖じ気付かずに戦うよ」
※そして翌日、自動車君は警視庁君をフルセットへと追い詰めるのであった
※修造三好が余計なことしやがって
「明日の対戦相手は誰だい」
「警視庁君だよ」
「お、良い相手じゃないか。彼は今季どんな様子なんだい?」
「それがさ、昨季終わって『来季は生まれ変わった自分を見せるよ』なんて言ってたんだけど、今日見たらほとんど変わってないんだよな」
「何だそれ」
「むしろ、老けて体力落ちてるような気がする」
※警視庁君、シーズンオフは世代交代の気配を見せていたが、開幕してみると昨季とほぼ同じ布陣。横断幕の通り「完全燃焼」だった昨季と比べると劣化が否めない
「だったらなおさら、自動車君の若さでがつんと行くところじゃないか」
「そうだな。あんなオッサンに負けるもんか!」
「その心意気だよ」
「それはさておき、新しく来た埼玉君、あいつ曲者だぜ」
「曲者?」
「ぱっと見の派手さはないけど、結構タフだ。油断しない方がいい」
「そうなんだ」
「俺の後輩のトヨペ君よりは明らかに強いし、俺だって多分苦労するよ」
※埼玉君は警視庁君との開幕戦で最初のセットを獲り、2日目にはきんでん君相手に早くも初白星をゲット。乗ってしまうと止められないタイプか
※V1初勝利に29試合費やした自動車君に謝れ
「まあ、僕は僕らしく、地道に一つ一つ勝つしかないからね」
「強いやつはそうなんだよな……下なんて気にしてないし……」
「拗ねるなよ」
「拗ねてない」
「ああ、そうだ。僕は明日ヴェルディ君と試合なんだけど、さっきの試合どう見た?」
「ヴェルディ君? 昨季と印象違うけど、毎年恒例って感じじゃないかな」
「どういう意味?」
「毎年がらっとイメチェンして、色々試して、でもキャラが決まらないままずるずる流されて行っちゃうじゃないか」
「自動車君、相変わらず毒舌だね」
「何だよ」
「でも確かに。今年も着の身着のまま走ってきたって感じだな」
※ヴェルディ君、昨季の正セッターやポイントゲッターが大勢退団し、三好君とはまた違った感じでメンバー一新。シーズンオフの各種大会からの流れは引いているが、まだまとまれていない印象。
「それと比べてきんでん君ときたら……」
「すごいね、彼」
「すごいよ、若返っておきながら性格が何も変わってないんだから」
「っていうか、元々そんなに老けてもいないんだけど、ベテラン選手多くてもあれだけ落ち着き無かったってどういうことなんだろうね」
※ヒント:塩
「三好君こそ毒吐いてるじゃないか」
※ベテラン勢が大量引退したきんでん君。びっくりするぐらい何も変わらず叫んで騒いで変な儀式に興じていた。そしてプレーでも何も変わらずもたついて結局勝ちきれなかった。岡本のスパイクがネットっての乱発できるのなんで。
「もう一会場の結果はどうだったんだろう」
「つくば君と大同君はフルセットだったらしいよ」
「んー、意外さはないな」
「兵庫君は近クラ君にスト勝ち」
「近クラ君、今季は大丈夫なのかな」
「わからない。彼も年明けにならないと何とも言えないね」
「君の弟分は?」
「……」
「だから目をそらすなよ」
「いやまあ、普通に試合して普通にスト負けだったよ」
「自動車君より点とってるじゃ無いか」
※自動車君48点トヨペ君52点の熱い戦いだった
「リ、リーグは長丁場だから、一喜一憂してても仕方ないよ」
「そうだね。最後に目指す場所に立てればそれでいい」
「……絶対邪魔してやるからな」
「お手柔らかにね」

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