Vリーグ大運動会の司会をバレーボールに例えて解説する。

Vリーグ大運動会の司会は、タレントの細田阿也さんがメインの進行を務め、リポーターとして、50周年記念事業のアンバサダー大林素子さん、堺で応援団長をしているなおきさんが、選手インタビューなどを担当しました。

こういう形式のイベントは初めてで、3人とも勝手がわからなかった部分はあるかと思います。9人制から6人制へ移ったら、最初は戸惑うじゃないですか。

インタビュアーというのは、バレーボールで例えるとセッターのような存在です。このイベント形式では、単に話を振るだけでなく、面白い出来事を拾うことも必要ですが、選手というアタッカーに良いボールを供給する、気持ちよく話をさせてナンボなわけです。

今回は、なおきさんが正セッター、大林さんはサポート役で、リベロに近い立場じゃなかったかな、と思いました。

さて、セッターのなおきさん。全日本の応援役としても起用されていましたが、彼はあくまで堺の応援団長。Vリーグ全般をカバーできるほどの広い知識は持ち合わせていませんでした。特に女子選手についてはほとんど知らなかったのではないか、と感じました。知識がないというのは、すなわち視野が狭い。良い位置にアタッカーがいても、彼には見えていないので、トスを上げられない。
もう一つ厳しいなと思ったのは、トークスキルの低さです。不満を長々書いても仕方ないので簡潔に言うと、なおきさんには、場の空気を読みながら相手を引き立てる話術が、十分には備わっていませんでした。芸風として、何かをけなして笑いを取ろうとするタイプで、今回の雰囲気や選手、そして客層に全くそぐわなかったというのも痛かったです。象徴的な場面が大縄跳び。トップバッターのチームBlue女子が、ミスをせず跳び続けているのを見て、応援席を中心に会場は「すごい!」と後押しする雰囲気でした。ところが、なおきさんは「はよ終われ!」を連呼。敢えて逆を行くことで、いくらかの笑いは取れたかもしれませんが、会場をさらに盛り上げるためには、「頑張れ!」と鼓舞するのが最適の選択肢だったでしょう。こういう方向で通したいなら、嶋岡・木村両氏の挨拶中に「話長いねん!」と切り込んで欲しかったですね。

今回の大運動会は、なおきさんというお世辞にも上手いとは言えないセッターが、トークの面ではほとんど素人でしかない選手たちにトスを上げるという状況だったわけです。個人的な資質として打つのが上手いJT・越川選手や、普段なおきさんのトスを打ち慣れている堺・石島選手や横田選手、あるいは悪球でも打ちぬいてしまう豊田合成・高松選手や富士通・中川選手らは何とか得点してくれますが、他の選手は「え、どうやって打つのこれ」と空振りしたり、「せっかく開いたのにボールが来ない」とがっかりしたりするわけです。
そういう苦しいゲーム展開なので、時間を経るごとに、トスの上げどころが確実に打てる石島・横田両選手に偏っていきました。このことが、他チームのファンの不評を買ってしまいました。

観客が見たかったのは、堺ラインの安定感ある攻撃ではなく、たくさんのアタッカーたちの個性あふれるスパイクなわけです。難しいトスじゃなくていいんです。高く上げて、後はアタッカーに任せておけばよかったのです。しかし肩書きが芸人である故の悲しさか、「かっこいい攻撃に仕立てないといけない」と思ってしまったようで、癖のあるトスばかり上げていた印象です。技術はないのに。
なおきさんと比べてスキルの高い大林さんが、「どけセッター!!」と言いながら2段トスを上げまくる、「女子打てるよー!」と指示を出しまくるなどすれば、また違ったのかもしれませんが、彼女はよっぽど外れていったボール以外は無理に手出しをせず、ポジショニング指示も少なかったです。

しかしながら、セッター一人がダメだったからと言って、そのままあっさり負けてしまうようではチームの意味がありません。ベンチ=イベント運営側は、手を尽くしていたのでしょうか?
セッターの視野の狭さに対しては、ベンチから「○○は必ずここにくるから上げて大丈夫」とアドバイスしたり、試合中に「今、△△が助走入ったよ!」と指示したりできるはずです。また、アタッカーもトーク技術で言えば満足に跳べない選手がほとんどなのを考えると、チームとして「こういう順番でトスを上げよう」などの取り決めをしておくべきだったでしょう。
おそらく、参加選手の資料を配布して事前レクをしておくとか、インタビューチェックリストを作るとか、選手側に一言コメントの心づもりをさせておくとか、そういう基本的な準備ができていなかったのではなか、と推察します。コートのみんなバレーが上手くないのに、作戦を立てない、ベンチから指示を出さないとなると、当然ろくな試合にならないわけです。

出場選手全員を把握できていた人なんて、観客の中にもほとんどいなかったと思うのです(機構の中にもほとんどいないのでは)。知らない=恥ずかしい=隠したいという感情、ああいう大きな場に立つとなるとどうしてもわいてくるものなのかもしれません。
けれども、知らない選手がいるのは、観客も出場者の選手も含め、みんな一緒でした。だからこそ、我々は知りたかったのですよ。初めて名前を聞く選手/チームがいた、ちょっと気になった、少し知識が広がった。そういうことを期待していたのです。

インタビュアーの2人は、面識のない選手に対し、ストレートに「初めまして!」で話を振って良かったんじゃないかな、と思います。左肩の名札を指さし確認して、「○○チームの△△選手にお話を聞きます」とわかるように紹介して欲しかった。運営側は、打ちやすいトスが上がるように、各選手のネタをまとめたものを作って2人に持たせておいて欲しかった。そして、全員はさすがに無理でしょうけど、各チーム1人ずつ話が振れるよう、戦略を立てていって欲しかった。
せっかくの記念イベントですから、そういうところを汲んで欲しかったなと感じました。

ま、機構はもうちょっと監督としての勉強をして、あとセッター育成に力入れような。

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