Vリーグサマーフェスティバルとは何だったのか。

6月17日付で日本バレーボール協会(JVA)の公式サイトに7月2、3日開催の「マイナビシリーズ Vリーガーマッチ」のお知らせが掲載されました。タイトルに「今年も」とあるように、本文に以下のような記載があります。

バレーボールとビーチバレーボールの垣根を越えたコラボレーションが実現した昨年の「Vリーグ・サマーフェスティバル2015」に続いて開催される本大会。

2015年に開催された「Vリーグ・サマーフェスティバル2015 in ODAIBA BEACH~夏だ!ビーチだ!男祭りだ!!~」の後継企画と解釈できます。

しかしながら、ゴテゴテに盛っていた昨年大会と比べ、今年はスケールダウンし、Vリーグ機構側の熱量も随分下がっていると感じています。その変化と、昨年時点で気になっていたことも含めて少しつらつらと。

大きく変わった点としては、主催者と大会の立ち位置がまず挙げられます。
昨年はV機構とJVAが主催の単独イベントを新設し、日本ビーチバレーボール連盟(JBV)は主管(≒主催者から運営を委託される立場)でした(協賛社決定時のリリース参照)
今年はJBVとJVAが主催する「ジャパンビーチバレーボールツアー2016 第4戦東京大会 マイナビシリーズ」という、既に計画されていたビーチ大会を「間借り」する形で開催されます。今のところ、Vリーグ機構は主催や協力、後援といった形でクレジットされていません(これは後日追記されるのかもしれませんが)。
ということは、チケット代などの収益の行先が違うと考えられます。昨年はV機構、JVAに入っているはずですが、今年は発売中のビーチ大会のチケットを購入するので、収益はビーチ連盟とJVAにまず届くでしょう。

イベントとしての縮小具合も目立ちます。
「間借り」のため時間的制約もあるかと思いますが、出場チーム数が半減しました。昨年はプレミア全チームとチャレンジ上位2チームの計10チームが参加しましたが、今年は東レ、ジェイテクト、JT、堺、FC東京の5チームです。どういう基準で選ばれたのでしょうか。
また、昨年はDU PUMPのライブや、女子選手のエキシビションマッチニコニコ生放送での実況解説中継など、「選手の努力で出来ること」の範囲を超えたアトラクションも用意されました。あ、ナビゲーターガールとかいう一部の客が「ムキーー!!」ってなりそうなのもあったな。言及してる人がほぼ皆無だったのが逆に怖かったあの夏。
昨年も、開催まで2週間を切ってから「芸能人呼ぶでー! 中継やるでー!」とねじ込んできたので、今年もこの後「こんなイベントやります!」と盛っていくのかもしれませんが、現時点ではそういった、選手によるファンサービスを超えた催しの情報は出ていません。
昨年の大会でチケット販売の勢いが意外になかったと感じているので(最終的にはある程度完売したようですが)、「お金や手間をかけた割に儲からなかったから、質素にいこう」と判断した可能性もあります。

そして何より気になるのが、V機構側の冷め具合です。
昨年大会では、5月29日の概要発表から7月7日のイベント報告まで、14回ものリリース発表をしています。準備が追いついてなかった可能性が極めて高いのですが、イベント追加、選手変更、ちょうど台風が近づいていたのもあって当日の実施可否など、リーグ戦よりきめ細やかなんじゃないか、という勢いで広報していました。この大会のためにFBページTwitterアカウントまで開設しています。JVAもV機構の発表と同日に概要をリリースし、後日レギュレーションや出場選手をまとめたページをアップしました。
ところが、今年はJVAが開催15日前というかなりぎりぎりのタイミングで概要を発表しただけで、V機構側は2日経った18日午後8時現在、何の告知もしていません。もしかしたら、もしかしたら「リリースアップロードするの忘れてた☆」「あれ、JVAがいつの間にか発表しちゃった☆」なのかもしれません。しれませんが、せめてSNSで言い訳くらいできるだろうことを考えると、これはいつもの無能・怠慢ではなく、意図的に告知してないようです。なお、JBVも今のところスルーしています。

さて。昨年のV機構の概要発表リリースには、以下のように書かれていました。

 インドアバレーボールのトップリーグであるVリーグの選手がビーチバレーボールで真剣勝負を繰り広げるこの大会を通じて、インドアバレーボールとビーチバレーボールが垣根を越えて、協同でバレーボールの魅力を大きく発信していくことを目的としています。
会場は2020東京オリンピック・ビーチバレーボール競技の開催予定地であるお台場エリアです。開催地域の皆さまにビーチバレーボール競技開催に向けた機運を高めていただくとともに、イベント等を通じてバレーボールに対する理解を深めていただく機会として参ります。

また、同じリリースには木村V機構代表理事会長(当時)のコメントが寄せられています。

インドアバレーボール、ビーチバレーボールを問わずバレーボールの普及に貢献することは、私たちVリーグ機構の使命であります。大会を通じて、普段のVリーグでは見ることのできない新たな選手の魅力を皆さまにお見せできるものと期待しています。

インドア・ビーチを問わず、「バレーボールの魅力発信」を掲げて始まったのが昨年の大会だったそうです。

だったらこの、「主催変わったからウチ知らんもん」みたいな、今年の態度は何なんですかね。

「いやいや、告知する予定でいたけどJVAと日程調整出来てなくて(テヘペロ」みたいな言い訳の可能性もありますが、大会2週間前にもなって何の告知もしてない時点であなたたちやる気なかったでしょ今年、っていう。ここまで遅れてるJVAも酷いが。
「正直、サマー女子と日程の被る、よその主催大会なんか告知したくない」と思ってませんか?

そもそも去年の時点で、JBVを巻き込む形でなく、あくまでVリーガーのイベントとしてビーチをやった時点で、「協同の意味わかってる???」と多くの方が思っていたわけです。
大会の開催方法としては、今年の方が上述の目的に適うと自分は考えます。「インドアで活躍する選手たちがビーチに挑戦する姿」も十分魅力的だと思いますが、それに加え「ビーチトッププレーヤーの真剣勝負」が見られるなら、ビーチへの興味をより深めることになるでしょう。

そういう意味で、昨年大会は「あくまでサマーリーグの代わりとなる、夏場のファンサービスなのかな」という解釈でいました。サマーリーグ男子大会は、出場チーム数の減少や、(昨秋までは)女子と比べて圧倒的に人気が無かったこともあって、現在自然消滅状態となっています。
ただ、これも男子チーム(特にプレミア勢)は夏場、メリットの少ない試合をしたがらないことの結果であって、これといってチームに利得のないイベントならば、やがては敬遠されるでしょそら、というのがですね。2年後には参加希望が3チームくらいになって、「やる意味ないね」って話になるのでは、という不安があります。

少し話がそれましたが。V機構とJBVのこの距離感について考えるうちに、気になる出来事が思い当たりました。覚えていらっしゃるでしょうか、昨年5~6月にかけての、JVA上層部のゴタゴタです。
2015年5月18日 羽牟裕一郎会長と西脇克治事務局長が2年連続の赤字決算を理由に解任される。
2015年6月22日 岩満一臣会長代行と小島和行事務局長代行が理事選任投票で否決される異例の事態。
2015年6月23日 木村憲治V機構代表理事会長がバJVA新会長に就任。
木村新会長は就任時のあいさつで、「ビーチ事業の見直し」を示唆しています。以下、サンケイスポーツの記事から引用。

前会長が力を入れたビーチバレー事業での支出が大きい点には、「インドアのように普及と強化を両立するやり方では難しいし、資金がかかる。若い選手を少人数、ブラジルに住ませるなど、裾野を広げないやり方もある」と私案を表明。

「赤字の主要因はビーチ事業なので見直したい」まではともかく、就任早々にしてはかなり踏み込んだ発言をしているように見えます。
羽牟前会長はビーチ事業を推進し、岩満会長代行も就任時に「ビーチバレーボールの大会組織運営と選手強化を加速しなければならない状況です」と述べています。また、小島事務局長代行はビーチバレー事業本部長を務めていました。
ここだけフォーカスすることに意味があるのかわかりませんが、親ビーチ派の幹部が一掃され、まだ若い桐原勇人ビーチバレー事業本部長が、「ミュンヘン五輪の金メダリストですけど(ドヤァ」みたいな顔してる木村会長率いるビーチ見直し派と戦わねばならなくなった、という風に見えるのです。気の毒と申し上げるほかない。

そういう色眼鏡をかけて、この「Vリーガーとビーチイベント」を見てみると、なんだか素敵に陰謀論化します。昨年はJBVに対するV機構のデモンストレーション行為で、今年は「不入りのビーチにテコ入れとして、大人気のVリーグから人を貸してやる」みたいなつもりではないか、と。木村会長のドヤ顔が目に浮かんでくる気がします。気のせいですが、きっと。これただの妄想ですよ。

単に「昨年上に言われて頑張った割にお金にならなかったし、JBVに丸投げした方が楽でいいやーサマーで忙しいしー」くらいの感覚じゃないかな、とも思うのですが。ボランティアではないので、利益にならないことをそのまま維持することこそ「無能」ですが、理念を掲げて始めたことに責任を持つのも、機構の仕事だと思うのです。まして、全く縁が切れたわけではなく、機構の所属選手が「Vリーグ」という看板の下で、「昨年に引き続き」出場するのです。それを知らん顔というのは、何をどう差し引いても、無責任としか言えません。
ってかさ、不人気だった男子の国際大会があれだけ満席になったのに、JVAの赤字幅昨年度増えてんじゃん何してんの木村会長。年頭のあいさつで「各加盟団体と手を取り合い(中略)ファンの目線になり楽しんで頂けるイベントとし、そして選手およびチーム関係者の皆様が満足できる大会となるよう、前進して参ります」とおっしゃっていたのだから、ご自身が長を務めていたV機構に対して、「バレーボールの魅力を広げるためにきちんと協力しなさい」と一喝して頂きたいところです。

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